一般社団法人 日本機械学会 熱工学部門

熱工学ギャラリー > 対流

液柱内マランゴニ対流における粒子集合構造のダイナミクス

熱コレ2018最優秀動画賞受賞
高校大学一般研究

Keywords

【表面張力流】
【国際宇宙ステーション】
【微小重力】
【マランゴニ効果】
【粒子集合】

この動画は,国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」において最初の実験として行った液柱内マランゴニ対流の映像である.

一対のディスク間にシリコーンオイルの液柱を形成する.液柱には流れの可視化のために微小なトレーサー粒子を混ぜている.上のディスクを加熱,下のディスクを冷却すると,表面張力は温度の高いところで小さく,温度の低いところで大きくなる.そのため,自由表面が上から下へと引かれて流れが起き,液柱の表面では下降流,中心では上昇流が観察される.

ところが,ある限定された条件下では,トレーサー粒子が閉曲線上に集合し,固定座標から見て回転する現象が見いだされた.これを粒子集合構造(Particle Accumulation Structure, PAS)と名付けた.閉曲線は周方向に整数モード数の対称性を持ち,モード数は液柱の高さ/直径比に依存した.

赤外線カメラによって液柱表面の温度分布を計測すると,粒子集合構造のとがった部分は温度の低いところに沿っていることが明らかになった.周方向に温度差があると温度の低いところに液体が流れ込む.自由表面近傍では流線が非常に混み合うので,有限の大きさを持つ粒子は流線を乗り換えて移動して閉曲線上を回転していくことになる.

それをわかりやすく示したものが粒子集合構造の数値シミュレーションである.とがった部分が3つあるモード数3の場合を示している.白いひも状のものが閉じたストリームチューブであり,それに沿って粒子が振動していくことがシミュレーションで表されている.


この動画をダウンロードすることはできません.ただし,教育目的のために動画ファイルの提供を希望する方は,直接,本コンテンツの投稿者にお問い合わせ下さい.

投稿者情報

宇宙航空研究開発機構(JAXA) 松本聡

連名者:河村 洋(公立諏訪東京理科大学),西野 耕一(横浜国立大学)

この動画は,熱工学コンファレンス2018のOS「熱コレ2018」で発表されました.
熱コレ2018最優秀動画賞受賞

著作権について

熱工学ギャラリーで提供される動画,写真, 音声,テキストなどに関する権利は,投稿者に帰属しており,著作権法その他の法令により保護されています.閲覧者によるコンテンツの複製,公開,送信,頒布,修正,改変等は認めていません.また,以下の利用方法を含め,コンテンツを教育目的以外の目的ならびに営利目的で利用することを禁止しています.
(i) 他者への有償での提供
(ii) 営利目的で開催されるイベント等での使用
(iii) 著作権者の権利を侵害する形態での使用(著作者や出演者の意に反する形での改変行為等),または侵害するおそれのある形態での使用
(iv) 公序良俗に反する使用