一般社団法人 日本機械学会 熱工学部門

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突沸

高校大学一般研究

Keywords

【突沸】
【沸騰石】

水の状態変化は小学4年生で初めて学習する.文部科学省学習指導要領によると,水が温度によって水蒸気や氷に変わることを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身につけることが要求されている.

一般的には,ビーカーに入れた水を実験用ガスコンロで加熱し,沸騰するときに出てくるプクプクが空気ではなくて水蒸気であることを確かめる.このときに「突沸するから危ない.沸騰石を入れなさい」と指導される.そのため,「突沸」「沸騰石」という2つの言葉は子どもたちの頭に刻み込まれる.さらに「水は100℃で沸騰する」とも習う.沸騰に必要な過熱度については,大学の伝熱学で相変化の章に出会うまで知らないということになる.

動画では,まず試験管に精製水と沸騰石を入れ,ガスバーナーで加熱したときの沸騰の様子を紹介した.沸騰石は素焼き陶器の多孔質体やガラスに空気を練り込んで固めたもので十分だが,動画ではアルミナ製の市販品の沸騰石を用いた.沸騰石の表面から多数の蒸気泡が立ち上る様子が動画で示されている.沸騰石がない場合,試験管の底で急に大きな蒸気泡が形成され,それに押されて水が飛び上がる突沸が観察された.

伝熱面に目に見えない傷があるのか,それを核にして小さな気泡がすぐに発生し始めるので,突沸の撮影には予想以上の苦労を要した.水の温度を十分に上げておき,その後,遠火でゆっくりと過熱度を上げていくのがコツである.


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投稿者情報

九州大学大学院工学研究院機械工学部門 藏田耕作
メール:kurata(a)mech.kyushu-u.ac.jp ※(a)を@に変えてください.

連名者:高松洋,境将貴

この動画は,熱工学コンファレンス2021のOS「熱コレ2021」で発表されました.

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