一般社団法人 日本機械学会 熱工学部門

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化学反応-熱は反応を促進する-

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高校大学一般研究

Keywords

【化学反応】
【活性化エネルギー】
【アーレニウス】

この動画は,熱が化学反応を促進するということを,中学生,高校生くらいの知識で分かるような内容で説明したものである.

動画の前半は,物質Aと物質Bが化学反応を生じて物質ABになるときの反応速度定数が活性化エネルギーと温度によって決まることを解説している.しかし,ミクロスケールで見ると分子の運動には分布がある(速い分子があれば遅い分子もある)ので,反応が起こるかどうかの境となる温度が1つあるわけではない.反応する分子があれば反応しない分子もあるという状態である.

動画の後半では,光を照射すると化学反応によって色が変わり,熱や異なる波長の光照射で再び元の色に戻るというフォトクロミック材を紹介する.最初の例は,ITO薄膜上にマグネシウムとスズの酸化物薄膜を積層した材料である.光を照射すると黒くなり,炉で温めることで再び透明に戻る様子を実演した.二つ目の例は,オゾンと反応させて黒く変色させた酸化ニッケルである.黒く変色した酸化ニッケルを加熱すると元の色に戻すことができる.100℃の加熱では元の色に戻りきらないが,300℃の加熱では戻った.この結果は,熱が反応を促進することを示している.さらに,「オゾンによる着色-加熱によって元に戻す-オゾンによる着色-加熱によって元に戻す」という具合に可逆的な反応を繰り返すことができた.一方,500℃の加熱では,二度目のオゾン曝露をしても一度目ほどは着色が進まない.これは低温では進まない不可逆反応が高温によって促進されたことを示す.

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投稿者情報

広島大学 井上修平
ホームページ:https://home.hiroshima-u.ac.jp/hpthermo/index.html

この動画は,熱工学コンファレンス2020のOS「熱コレ2020」で発表されました.

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